« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

2008年9月

2008年9月24日 (水)

予防接種とは?

『小児疾患の部屋 第6話 予防接種とは?』

さて、今日からは乳幼児の『予防接種』に関して数回に分けてお話し致しますhappy01

今日は、まず予防接種とは?という知っている人もいるかもしれませんが、これから予防接種、特にこれから初めてという人には、いろいろな本を含めて参考にして頂けたらと思います。

予防接種は、人の免疫反応を利用するものです。従って、予防接種の効果は受けた人の体の状態によって左右されます。

この予防接種は、病原菌に由来する異物(ワクチン)を体の中に入れることによって、人に人為的に免疫力を与えて感染症の予防をするものです。

 1)予防接種の目的

   予防接種は、感染の予防、発症の予防、症状の軽減を図

  ることを目的としています。予防接種により、人為的に免疫

  を付けることにより、

    ①その病原体が増殖できないようにする

    ②病原体が気道の粘液などで増殖しても、その人が病

     気にならないようにする

    ③病原体が増殖して症状が出ても、それを軽くするよう

     にする

  が期待されます。

   予防接種により、感染しやすい病原体から身を守ることで、

  感染症による重症化や死亡、さらには感染の流行・拡大を

  防ぐことができます。

 2)予防接種のワクチン

    予防接種で使うワクチンには、生ワクチン、不活化ワク

   チンの2種類があります。

   ①生ワクチン

     生ワクチンは、生きた病原体の毒素を弱めたもので、

    その病気にかかったのに近い免疫(抗体)をつくろうとす

    るものです。

     接種後から、体内で病原体の増殖が始まるので、それ

    ぞれの持っている性質に応じて発熱や軽い症状が出る

    ことがあります。十分な抗体が獲得されるのには1ヶ月

    が必要です。

     日本で使われている生ワクチンには、ポリオ、麻疹・風

    疹混合、麻疹(はしか)、風疹、おたふくかぜ、水痘、

    BCG、黄熱があります。

   ②不活化ワクチン

     不活化ワクチンは病原体を殺し、免疫をつくるのに必

    要な成分を取り出して毒素をなくしつくったものです。

     この場合、病原体は体の中で増殖しないので、何回か

    接種し体に記憶させて免疫をつくります。一定の間隔で

    数回接種し初回免疫を付けた後、約1年後に追加接種

    をして基礎免疫ができあがります。

     しかし、放置するとまた少しずつ抗体が減ってしまうの

    で、長期に免疫を保つ場合には、それぞれの性質に合

    わせて一定の間隔で追加接種が必要です。

     日本で使用されている不活化ワクチンには、コレラ、

    A型肝炎、ワイル病秋やみ混合、沈降百日咳・ジフテリ

    ア・破傷風混合(沈降DPT)、インフルエンザHA、肺炎

    球菌多糖体、沈降ジフテリア破傷風混合(沈降DT)、

    沈降破傷風(沈降T)、B型肝炎、日本脳炎があります。

以上のように、予防のためのワクチンにより、昔から比べればこれらの感染病によ発症は減ってきています。

特に、乳幼児においてはかかりやすい感染症より防御するにはワクチンの接種は必要不可欠です。従って、どのタイミングでどのワクチンを接種すればいいかをきちんと理解しておくことが重要となります。

でわ、次回からこれらのワクチンに関してお話ししていきますconfident

                参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月17日 (水)

下痢の時の食事

『小児疾患の部屋 第5話 下痢の時の食事』

暑い夏が終わりを告げ秋が訪れてきた今日この頃ですが、こどもさんたちの体調はいかがでしょうかconfident

感染症により、結構下痢などを引き起こしたお子さんたちも多かったと思います。これからは食欲の秋の季節。暴飲・暴食はこどもにとっても同じですcoldsweats02

今回は、下痢をしたときの食事についてお話しいたしますwink

【乳児編】 

 1)母乳の場合

  ①下痢のひどいとき

   ・母乳はそのまま続けてもかまわない

   ・授乳を短時間で切り上げて(量を少なく)、回数を多くする

  ②下痢が改善してきたら

   ・通常通りに戻す(欲しがるだけ飲ませる)

 2)ミルクの場合

  ①下痢のひどいとき

   ・ミルクを少量ずつ、回数を多くする

     (濃度は通常の2/3程度がよいとされている)

   ・乳糖を含まない下痢治療乳(ラクトレス、ボンラクト)に切り替える

     (乳糖は、通常酵素によってブドウ糖からラクトースに分解されて

     はじめて体内に吸収されるため、乳糖不耐症による下痢の場合

     は、下痢をひどくする) 

  ②下痢が改善してきたら

   ・ミルクを通常の物と量に戻す

 3)離乳食を食べている場合

  ①下痢のひどいとき

    母乳、ミルク、下痢治療乳、アクアライト、リンゴのすり下ろし汁

    野菜スープや味噌汁の上澄み など

  ②下痢が良くなってきたら

    とうふ、パン粥、おかゆ、ベビーせんべい、ウエハース、煮込みうどん

    白身の煮付け、にんじんやカボチャの煮つぶし など

      (尚、以上の物は便の様子を見ながら慎重に与えること)

 4)下痢の時避ける食べ物

   砂糖分(ヨーグルト、菓子)、刺激の強い物(ミカンなど)、冷たい物

   油っこい物、繊維の多い物(いも、ゴボウ)、牛乳 など

【幼児編】

 下痢の時次のことに注意する

 1)水分を十分補う

  ・水分補給が一番→下痢で水分が失われているので、水分を補給す

   る必要がある

  ・栄養のことはあまり気にしない事→無理の食べさせる必要はない

    (食欲があっても控えめとし、腸を休める)

 2)便の状態を見て食事を選択する

  ・便が水のようなときは水分補給を中心!

    例) アクアライト、野菜スープ、味噌汁、おもゆ、リンゴのすりおろし

  ・便がドロドロならドロドロの物を!

    例) とうふ、パン粥、ベビーせんべい、ウエハース、バナナの裏ごし

       にんじんやカボチャの煮つぶし など

  ・便が軟らかいときは軟らかい物を!

    例) おかゆ、うどん、白身魚の煮付け、卵、鶏のささみ

       野菜の煮付け など

 3)下痢の時避ける食べ物

   冷たい物、油っこい物、牛乳、コーヒー、卵、海藻、こんにゃく

   繊維が多い物(いも、ゴボウ)、砂糖分(ヨーグルト、菓子)

   刺激の強い物(ミカンなど)、プリン、ゼリー、チョコレート   など

以上、下痢の場合はその便の状態や下痢の症状の程度によって食べていい物といけない物があります。少なくとも水様性の下痢の時は必ず失った分の水分は補給するようにしてください。下痢中にきちんと対処した食事を与えることが、結果として下痢の症状の回復が速くなります。

乳幼児などが下痢になると慌てる場合がありますが、その下痢の状態をきちんと見極めて対処し、どうしても判断が難しい場合は必ずひどくなる前に小児科にかかりましょうconfident

でわ、また次回paper

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月10日 (水)

腸管出血性大腸菌感染症

『小児疾患の部屋 第4話 腸管出血性大腸菌感染症』

今週から秋の気配感じられ、夜と朝方は気温が低くなってきています。しかしながら、まだ日中においては30℃前後と気温が高い日があり、また学校や幼稚園・保育園へと通い始めて1週間が経過致しました。全国的にまだ『腸管出血性大腸菌感染症』の発症が報告されていますので、今回この感染症についてお話し致しますhappy01

【疾患名】 

  腸管出血性大腸感染症

【原因】 

  ベロ毒素を産生する大腸菌(O-57、O-26、O-111)

【感染経路】

  ・菌に汚染された飲食物の摂取(生肉、加熱不十分食肉、井戸水)

  ・感染した動物への接触

  ・糞口感染

  ・調理器具を介した感染(例:生肉→まな板→野菜→ヒト)

【対象年齢】

  全年齢が対象(乳幼児および高齢者が非常に多い)

【潜伏期間】

  2~14日(平均3~5日)

【流行時期】

  気温の高い初夏~初秋(食中毒の発生時期とほぼ同じ)

【感染後の症状】

  ・潜伏期間3~5日を経て頻回の水様下痢→血便に悪化

  ・下痢とともに激しい腹痛を伴う

  ・発熱は軽度で37℃台

  ・吐き気、嘔吐

  ・発症から2週間以内

         →症状が進行:溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症

                                      など

【治療法】

  ・特効薬はなし

  ・下痢止めは基本的にベロ毒素の排泄を悪くするため禁忌

  ・治療の基本は医師の診断に基づいた治療法が基本

                     (症状により異なる)

【予防法】

  ・生肉の摂取は控える(生肉、ユッケ、生レバーなど)

  ・生肉に添えてあるサラダや野菜は火を通しから食べる

  ・食品は内部まで十分に加熱して食べる(中心温度75℃, 1分以上)

  ・生肉をさわる箸と食事用の箸は区別する

  ・患者の排便処理後 → 手洗いを励行(流水後、アルコール消毒)

  ・タオルの共用は止める

  ・まな板や包丁などの調理器具は必ず良く洗い、塩素系消毒剤で消毒

  ・新鮮な食材を使い、良く洗う

【家庭で気をつけること】

  ・家庭内に感染者がいる場合は、家庭内感染に気をつける

        例)手洗いの励行や使用品の共用禁止 など

  ・水分 → 脱水症状になるので補給を必ずする(イオン飲料など)

        また、食事もとれやすい形態のものでエネルギーを摂る

  ・入浴 →2次感染の可能性が高くなるため、シャワーで済ませる方がよい

  ・授乳に関しては、母乳を介しての感染はない

    →母乳中には腸管出血性大腸菌は含まれない

     逆に、乳首等の衛生管理に気を配ることが逆に大切です

【学校・保育所など】

  ・第三種の伝染病に指定

     →医師による伝染の恐れがないと認められるまで出席停止

  ・無症状病原保有者に関しては、出席の停止の必要はなし

     →二次感染防止のため、手洗いと一般的な予防の励行

以上が、腸管出血性大腸菌感染症についてです。少し気温が低くなってきたからと言って、生肉などの食事にはまだ十分気をつけるようにしましょうsad

上記の内容をよく理解することで、慌てずに対応がとれると思います。もし何かご質問等がありましたら、コメントにてお願い致します。可能な限り早急にお答えしたいと思いますconfident

では、また次回paper

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月 3日 (水)

ヘルパンギーナ

『小児疾患の部屋 第3話 ヘルパンギーナ』

今年の夏もう終わりかけて、先週などはゲリラ豪雨などが降りました。また、9月に入って残暑厳しい日々が続いております。お子さんも夏休みが終わり、また学校や幼稚園・保育園へと通い始め、この残暑もあって体調を崩される子どもさんもいるかと思います。

若干時期的に遅くなりましたが、夏風邪の代表である『ヘルパンギーナ』について、お話し致しますhappy01

【疾患名】 

  ヘルパンギーナ

【原因】 

  エンテロウイルス(主にA群コクサックウイルス)による接触感染

【感染経路】

  ・主に飛沫感染

  ・糞口感染

【対象年齢】

  4歳以下がほとんどで、1歳代が最も多い

【潜伏期間】

  2~4日

【流行時期】

  通常5月頃から始まり、6~7月にピークを迎え、8月には減少する

【感染後の症状】

  ・38~40℃の熱(2~3日続く)→時に熱性痙攣を生じることあり

  ・咽頭粘膜の発赤

  ・口腔内に紅暈で囲まれた小水疱(直径1~2mm,最大5mm)

  ・食欲不振、脱水症状 など

【治療法】

  基本的に対症療法(例:熱 → 解熱剤、喉の痛み → 抗炎症剤 など)

【予防法】

  ・患児の介護者 → 手洗いを励行(流水後、アルコール消毒)

  ・便及びその他の排泄物の取扱い → ゴム手袋着用

  ・エンテロウイルスは、回復後2~4週間の長期間便から検出される

【家庭で気をつけること】

  ・食べ物 → 口中が痛むときは、かまずに飲み込めるものを与える

        例)プリン、ゼリー、アイスクリーム、豆腐、冷ましたおじや など

  ・水分 → 充分にとらせる(麦茶、イオン飲料、牛乳など)

        尚、オレンジジュースなどの酸味のあるものは口にしみる!

  ・入浴 → 高熱または元気がない場合を除き問題はない

【学校・保育所など】

  ・熱が下がって口の痛みがなるまで4~5日間休ませる

  ・学校保健法では、特に規制がない

以上が、ヘルパンギーナについてです。エアコンなど使用している家庭、また寝冷えなどしてしまうお子さんなどは、この残暑の時期も発症や感染には充分気をつけましょうsad

上記の内容をよく理解することで、慌てずに対応がとれると思います。もし何かご質問等がありましたら、コメントにてお願い致します。可能な限り早急にお答えしたいと思いますconfident

では、また次回paper

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »