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2008年9月10日 (水)

腸管出血性大腸菌感染症

『小児疾患の部屋 第4話 腸管出血性大腸菌感染症』

今週から秋の気配感じられ、夜と朝方は気温が低くなってきています。しかしながら、まだ日中においては30℃前後と気温が高い日があり、また学校や幼稚園・保育園へと通い始めて1週間が経過致しました。全国的にまだ『腸管出血性大腸菌感染症』の発症が報告されていますので、今回この感染症についてお話し致しますhappy01

【疾患名】 

  腸管出血性大腸感染症

【原因】 

  ベロ毒素を産生する大腸菌(O-57、O-26、O-111)

【感染経路】

  ・菌に汚染された飲食物の摂取(生肉、加熱不十分食肉、井戸水)

  ・感染した動物への接触

  ・糞口感染

  ・調理器具を介した感染(例:生肉→まな板→野菜→ヒト)

【対象年齢】

  全年齢が対象(乳幼児および高齢者が非常に多い)

【潜伏期間】

  2~14日(平均3~5日)

【流行時期】

  気温の高い初夏~初秋(食中毒の発生時期とほぼ同じ)

【感染後の症状】

  ・潜伏期間3~5日を経て頻回の水様下痢→血便に悪化

  ・下痢とともに激しい腹痛を伴う

  ・発熱は軽度で37℃台

  ・吐き気、嘔吐

  ・発症から2週間以内

         →症状が進行:溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症

                                      など

【治療法】

  ・特効薬はなし

  ・下痢止めは基本的にベロ毒素の排泄を悪くするため禁忌

  ・治療の基本は医師の診断に基づいた治療法が基本

                     (症状により異なる)

【予防法】

  ・生肉の摂取は控える(生肉、ユッケ、生レバーなど)

  ・生肉に添えてあるサラダや野菜は火を通しから食べる

  ・食品は内部まで十分に加熱して食べる(中心温度75℃, 1分以上)

  ・生肉をさわる箸と食事用の箸は区別する

  ・患者の排便処理後 → 手洗いを励行(流水後、アルコール消毒)

  ・タオルの共用は止める

  ・まな板や包丁などの調理器具は必ず良く洗い、塩素系消毒剤で消毒

  ・新鮮な食材を使い、良く洗う

【家庭で気をつけること】

  ・家庭内に感染者がいる場合は、家庭内感染に気をつける

        例)手洗いの励行や使用品の共用禁止 など

  ・水分 → 脱水症状になるので補給を必ずする(イオン飲料など)

        また、食事もとれやすい形態のものでエネルギーを摂る

  ・入浴 →2次感染の可能性が高くなるため、シャワーで済ませる方がよい

  ・授乳に関しては、母乳を介しての感染はない

    →母乳中には腸管出血性大腸菌は含まれない

     逆に、乳首等の衛生管理に気を配ることが逆に大切です

【学校・保育所など】

  ・第三種の伝染病に指定

     →医師による伝染の恐れがないと認められるまで出席停止

  ・無症状病原保有者に関しては、出席の停止の必要はなし

     →二次感染防止のため、手洗いと一般的な予防の励行

以上が、腸管出血性大腸菌感染症についてです。少し気温が低くなってきたからと言って、生肉などの食事にはまだ十分気をつけるようにしましょうsad

上記の内容をよく理解することで、慌てずに対応がとれると思います。もし何かご質問等がありましたら、コメントにてお願い致します。可能な限り早急にお答えしたいと思いますconfident

では、また次回paper

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