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2008年11月

2008年11月26日 (水)

おたふくかぜワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第12話 おたふくかぜワクチンの予防接種』

さて、6回目はおたふくかぜの予防接種についてです。happy01

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)ワクチンの予防接種は、1回の接種で免疫を付ける予防接種の方法です。おたふくかぜの約3分の1は、不顕性感染(病原菌に感染しても、その病気の症状が出ないこと)といわれており、気づかないうちに感染して免疫が出来ている場合があります。免疫のある人にワクチンを接種しても、副反応が強く出ることはありません。

 では、おたふくかぜの病態について説明しましょうconfident/

 <おたふくかぜ>

   おたふくかぜは、ムンプウイルスの飛沫感染により感染し、

  軽少な病気とされていますが、合併症には注意が必要です。

   冬から初夏にかけて流行し、耳下腺(耳の下にあるリンパ

  節)が腫れる病気です。はじめは少し熱がでて、そのうち片

  側あるいは両側の耳たぶの下が腫れてきます。両側が腫

  れることが多いのですが、片側だけのこともあります。腫れ

  が一番大きくなるのは発症後3日頃で、その後6~10日で

  腫れはひいてゆきます。

   合併症としては、髄膜炎が1~3%くらいにみられ、中には髄

  膜脳炎を起こすこともあります。髄膜炎は後遺症を残しませ

  んが、髄膜脳炎は感音性難聴(多くは片側性)や、思春期以

  降の男子がかかった場合などは、不妊症になる心配も出てき

  ますが、完全な不妊症になることはまれです。

   尚、おたふくかぜは、学校伝染病の中では水痘と並んで、一

  番欠席の多い病気です。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    接種希望者のみ任意予防接種としての接種ができます。接種を受ける

   場合は、保護者がワクチンの効果と副反応について、医師の説明を良く

   聞き、納得してから受けることができます。

    1歳を過ぎたら、年齢に関係なく受けることが出来ます。尚、おたふくか

   ぜに一番かかりやすい年齢は4~5歳なので、2~3歳までに受けておく

   と良いと言われています。

  2)接種料金

    有料(自由診療。尚、市町村により公費による助成あり)

  3)接種量

   1回の接種量は0.5mLで皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①痙攣(ひきつけ)を起こしたことがあるこども

   ②慢性の病気があるこども

   (免疫不全状態、栄養状態が悪い、全身状態がよくない、抵抗力が弱い)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   ①接種後2~3週頃に耳の下が軽く腫れたり、発熱がみられることがある

            → 特別の措置をしなくても、1~2日で消える

   ②摂取後3週頃に、無菌性髄膜炎が起こりますが、経過は良く後遺症も

    残さずに完治します(数千人に一人の割合)

   

以上が、おたふくかぜワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は必ず忘れずに期間を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、水痘(みずぼうそう)についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年11月19日 (水)

日本脳炎ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第11話 日本脳炎ワクチンの予防接種』

さて、5回目は日本脳炎ワクチンの予防接種についてです。happy01

 日本脳炎ワクチンとは、日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患を予防するワクチンです。以前は集団集団摂取を行っていましたが、現在は日本脳炎予防接種の後に発症した重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)について、現行の日本脳炎ワクチンとの因果関係を認定したことにより慎重を期するため、日本脳炎予防接種の積極的勧奨を差し控えています。

 日本脳炎ワクチンの接種は、Ⅰ期3回、Ⅱ期1回の合計4回の接種で免疫を付ける予防接種の方法です。

 では、現在では積極的接種推奨は中止されていますが、定期予防接種の対象者のうち、日本脳炎流行地に渡航する人など、接種を希望する場合は定期接種として受けることができます。では、日本脳炎の病態について説明しましょうconfident/

 <日本脳炎>

   日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中

  枢神経(脳や脊髄など)の疾患です。ヒトからヒトへの感染は

  なく、ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖された後、その

  ブタを刺したコガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)な

  どがヒトを刺すことによって感染します。感染後は、突然の高

  熱、頭痛、嘔吐で始まり、数日のうちに意識障害、けいれん、

  手足の異常運動など激しい脳炎症状を起こします。約18%

  は死亡し、約49%は後遺症を残す重症の病気です。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    接種希望者のみ定期接種としての接種ができます。接種を受ける場合は、

   保護者がワクチンの効果と副反応について、医師の説明を良く聞き、納得

   してから受けることができます

   ①Ⅰ期定期接種(3回)・・・基礎免疫

     1回目:生後6ヶ月以上90ヶ月未満の間に受ける

     2回目:標準として3歳の時に、1回目の摂取後1~4週の間隔をおい

          て受ける

     3回目:初回接種終了1年後、標準として4歳の時に受ける

   ②Ⅱ期定期接種(1回)

     Ⅰ期3回終了後、9歳以上13歳未満でうける。標準として9歳の時に

    受ける

  2)接種料金

    有料(1回:1000円 生活保護世帯料金免除あり)

  3)接種量

   Ⅰ期およびⅡ期定期接種ともに、1回の接種量は0.5mL(3歳未満は

   0.25mL)で皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①痙攣(ひきつけ)を起こしたことがあるこども

   ②慢性の病気があるこども

   (免疫不全状態、栄養状態が悪い、全身状態がよくない、抵抗力が弱い)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)Ⅰ期の接種間隔、接種回数の規定を守れなかった場合

   ①初回接種2回の間隔が4週間以上開いた場合

     ワクチンの効果は4週を過ぎて接種しても十分にあるので、初回接種

    の2回目を受けて、翌年に追加接種を受ける(合計3回)

   ②初回接種が1回だけで1年経ってしまった

     1~4週間の間隔で2回受ける(合計3回)か、または初回接種として

    1回受け、その翌年に追加接種として1回受ける(合計3回)

   ③初回接種が1回だけで2、3年経ってしまった

     改めて初回接種として2回受けて、その翌年に追加接種を1回受ける

                                      (合計4回)

   ④初回接種2回は受けているが、翌年の追加接種を受けずに2年経って

    しまった

     追加接種として1回だけ受ける(合計3回)

  7)副反応

   ①接種部の痛み、発赤、じばれ(傷口などの周囲の皮膚が広くはれること)

    がわずかにみられる

   ②時に頭痛、発熱

   

以上が、日本脳炎ワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は必ず忘れずに期間と回数を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、おたふくかぜ(流行耳下腺炎、ムンプス)についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年11月12日 (水)

麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第10話 麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種』

さて、4回目は麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種についてです。happy01

 MRワクチンとは、麻疹と風疹の両方を予防することを目的とした定期予防接種で、麻疹生ワクチンと風疹生ワクチンを一定の割合で混合したワクチンです。

 MRワクチンの接種は、Ⅰ期1回、Ⅱ期1回の合計2回の接種で免疫を付ける予防接種の方法です。

 では、ここでそれぞれの病態について説明しましょうconfident/

 1.麻疹(はしか)(measles)

   麻疹は春から夏に流行する病気で、麻疹ウイルスの飛沫

  感染や飛沫核感染によって起こります。発熱、咳で発病し、

  目やに、結膜充血があり、2~4日で高熱とともに発疹が出

  てきます。高熱は、3~4日で下がり発疹も消えていきます。

   麻疹にかかると、脳炎や肺炎を合併することもあります。

  また、脳の中に侵入した麻疹ウイルスはゆっくりと増えて、

  何年も経ってから亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という予後

  の悪い病気を起こすこともあります。

 2.風疹(German measles)

   風疹は1月の初めから流行が始まり、5月にピークを迎え

  8月末までに流行する。小学生を中心としてこどものかかる

  軽い病気です。

   風疹ウイルスの飛沫感染によって起こり、発熱と同時に発

  疹がでて、首の後ろのリンパ節がはれます。発疹は3日ぐら

  いで消え、ふつうは軽症ですが、まれに血小板減少性紫斑

  病や脳炎を併発をして、重症になることがあります。

   免疫のない女性が妊娠初期に風疹に感染すると、先天性

  の異常児が生まれる心配があります。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

   今まで麻疹生ワクチン及び風疹生ワクチンの接種を受けていないこども

   ①Ⅰ期定期接種(1回)

     生後12ヶ月以上24ヶ月未満の間に受ける

   ②Ⅱ期定期接種(1回)

     5歳以上7歳未満で、小学校就学前の1年間(就学前年度4月1日

    ~3月31日)に受ける

  2)接種料金

    無料

  3)接種量

   Ⅰ期およびⅡ期定期接種ともに、1回の接種量は0.5mLで皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①痙攣(ひきつけ)を起こしたことがあるこども

   ②慢性の病気があるこども

   (免疫不全状態、栄養状態が悪い、全身状態がよくない、抵抗力が弱い)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)Ⅰ期定期接種を受ける機会を逸した場合

    必ずⅡ期の接種の機会に麻疹生ワクチンあるいは風疹生ワクチン、ま

   たはMRワクチンの接種を受ける

  7)Ⅰ期定期接種を受けてⅡ期定期接種を受ける機会を逸した場合

    Ⅲ期(中学校1年相当の者)MRワクチンまたはⅣ期(高校3年生相当

   の者)MRワクチンの接種を受けます→詳細は保健所に確認して下さい

  8)副反応

   ①発熱と発疹が一部のこどもに出ます

   ②きわめてまれに血小板減少性紫斑病を起こすことがあります

   

以上が、麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種についてです。必ず忘れずに期間と回数を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、日本脳炎についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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