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2008年12月

2008年12月17日 (水)

肺炎球菌感染症ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第15話 肺炎球菌感染症ワクチンの予防接種』

さて、9回目は肺炎(肺炎球菌感染症)ワクチンの予防接種についてです。happy01

 肺炎(肺炎球菌感染症)は、抗生物質のおかげで解決したように思えますが、実際には注意が必要な病気のひとつです。特に、症状がが急速に進んだ場合には、高齢者などには、肺炎にかかった場合抗生物質の投与による治療が間に合わない場合があります。

 そこで、おもに高齢者、特に呼吸器、心臓などに病気を持つ人、糖尿病の人や、病気やけがで脾臓を摘出したこどもに対して、肺炎予防を目的としたワクチンの接種が必要となります。

  では、肺炎球菌感染症の病態について説明しましょうconfident/

 <肺炎球菌感染症>

   肺炎球菌感染症は、肺炎球菌(streptococcus pneumoniae)

  による呼吸器疾患が多い冬季・早春によく見られる肺炎、

  髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、菌血症(敗血症)を伴う感染症

  です。

   肺炎球菌は、人の気道に定着していることがよくあり、健

  康な大人でも鼻やのどから、5%-70%で分離されることがあ

  ります。肺炎球菌は、人の鼻や口から体内に入り、鼻やの

  どの粘膜に付着・増殖し定着し、鼻やのどの粘膜に肺炎球

  菌持っている人などが咳をすることによって生じた飛沫を吸

  い込むことなどがきっかけとなると考えられます。鼻やのど

  の粘膜に定着した肺炎球菌は、そのまま何も起こさずに消

  滅してしまうことも多いのですが、肺炎球菌感染症を発病す

  る場合もあります。鼻やのどの粘膜に定着している期間は、

  1-17ヶ月間程度です。鼻やのどの粘膜に定着している期間

  は、大人よりこどもの方が一般的に長いです。

   肺炎球菌感染症を発病するきっかけとしては、例えば、

  冬季にインフルエンザで気管の粘膜が損傷を受けるなど、

  体を守る障壁(barrier:バリア)が損傷を受けたようなときが

  考えられます。何の症状もなく肺炎球菌を鼻やのどの粘膜

  に持っている保菌者(キャリア: carrier)の割合は、こどもが

  いない大人たちでは、5-10%、学校や孤児院の生徒や孤

  児たちでは27%-58%です。

   症状は突然始まり、胸に鋭い痛みが起こり、ふるえるほ

  どの悪寒がします。発症前から、ウイルスによる上気道感

  染の症状(のどの痛み、鼻づまり、鼻水、空せき)がみられ

  ることもあります。熱が上がり、せきが出て、赤茶色のたん

  も出ます。全身にけん怠感があり、息切れもよく起こります。

  肺炎球菌による髄膜炎の場合は、熱、頭痛、全身のけん

  怠感などが現れます。首がこわばり、動かすと痛みますが、

  早いうちはこの症状が出ない場合もあります。

 <肺炎球菌多糖体23価ワクチン>

   肺炎球菌には80種類以上の型があって、それぞれに免

  疫を付ける必要があります。そのうちで、感染する機会の

  多い型23種類を選んでワクチンに入れてあります。これで、

  日本で流行している80%をカバーしています。1回の注射

  で、23種類のほとんどに対して有効レベル以上の免疫が

  でき、5年以上は免疫効果が持続するといわれています。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    成人、小児(2歳以上)、時期は随時1回接種

     ※尚、2歳未満のこどもは、免疫効果が悪く安全性も確立されて

      いないため受けることは出来ない

  2)接種料金

    有料(自由診療)

  3)接種量

    肺炎球菌多糖体23価ワクチン・・・0.5mL

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①心臓病、腎臓病、肝臓病や血液、その他慢性の病気で治療をしてい

    る人

   ②今までにけいれんを起こしたことがある人

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   注射を受けた部位のはれや痛み、時に軽い熱がみられることがある

    (通常、1~2日でおさまります)

   

以上が、肺炎球菌ワクチンの予防接種についてです。confident

次回は、B型肝炎についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年12月10日 (水)

インフルエンザワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第14話 インフルエンザワクチンの予防接種』

さて、8回目はインフルエンザの予防接種についてです。happy01

 インフルエンザは、毎年冬になると大なり小なり流行が起こり、特に集団生活をしている幼児、児童を中心に流行が起こります。

 また、インフルエンザは慢性の病気を持っている人がいると重症になることがあります。そのため、予防接種は基礎疾患のある人にも勧められます。インフルエンザの予防接種は、集団全体の免疫を高めることによって流行を抑えるという考えで行われます。

 尚、インフルエンザは、学校保健法で第二種の伝染病に指定されています。従って、インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)に感染した場合は、感染後解熱した後二日を経過するまで、出席を停止するよう決められています。

  では、インフルエンザの病態について説明しましょうconfident/

 <インフルエンザ>

   インフルエンザとは、急な発熱を特徴とする呼吸器感染

  症をいいます。インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型

  があり、現在ヒトの間で流行している型は、A型のソ連型

  (H1N1亜型)・香港型(H3N2亜型)、B型の3タイプです。

  C型もヒトに感染しますが流行は起こりにくいとされていま

  す。

   主な感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイル

  スを吸い込むこと(飛まつ感染)です。また、ウイルスが付

  着した手を介した感染(接触感染)もあります。

   インフルエンザウイルス感染の典型的な例としては、1

  ~5日(平均3日)の潜伏期の後に、突然38℃以上の高熱

  が出現し、頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感などの全身

  症状に加えて、咽頭痛・咳・鼻汁などの風邪様症状が出

  現します。ほとんどの場合、約1週間で軽快しますが、重

  症化すると肺炎、脳炎・脳症などを起こすこともあります。

   インフルエンザの治療は、頭痛、発熱、悪寒、咳、鼻づ

  まりなどつらい症状をおさえる対症療法と、オセルタミビル

  (商品名:タミフル)などの抗インフルエンザ薬による治療

  が中心です。細菌の混合感染による気管支炎などを併発

  している場合、抗生物質が処方されることもあります。

   治療については、病状や経過(特に症状がではじめてか

  らの時間)に合わせて医師が判断しています。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    ①65歳以上の方

     予防接種法による定期予防接種として1回接種

    ②13歳未満の方

      任意接種で、2回の接種が勧められています。最初の接種から、

     およそ1~4週間の間隔をおいて(免疫効果を考慮すると4週間お

     くことが望ましいとされています)2回目を接種する

    ③上記年齢以外の方

     任意の接種で、基本的に1回接種(場合により2回接種)

  2)接種料金

    有料(自由診療)

    尚、65歳以上の方は、市町村により公費による一部助成あり

  3)接種量

   1回の接種量は以下の通りです。

   1歳未満・・・・・・・・・・0.1mL

   1歳以上6歳未満・・・0.2mL

   6歳以上13歳未満・・0.3mL

   13歳以上・・・・・・・・・0.5mL

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③インフルエンザ予防接種に含まれる成分によって、アナフィラキシー

    を起こしたことがある人

   ④医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①心臓病、腎臓病、肝臓病や血液、その他慢性の病気で治療をしてい

    る人

   ②以前インフルエンザの予防接種を受けて、2日以内に発熱、発疹、

    蕁麻疹などアレルギーを思わす異常が認められた人

   ③今までにけいれんを起こしたことがある人

   ④今までに中耳炎や肺炎などによくかかり、免疫状態を検査して異常

    を指摘されたことのある人

   ⑤今までに喘息と診断されたことがある人

   ⑥インフルエンザ予防接種の成分または鶏卵、鶏肉、その他鶏由来

    のものに対して、アレルギーがあるといわれたことがあるひと

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   注射を受けた部位が赤くはれる程度で、発熱や頭痛などはほとんど

   ない

   

以上が、インフルエンザワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は流行前に必ず忘れずに受けるようにして下さい。confident

次回は、肺炎球菌感染症についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年12月 3日 (水)

水痘(みずぼうそう)ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第13話 水痘(みずぼうそう)ワクチンの予防接種』

さて、7回目は水痘(みずぼうそう)の予防接種についてです。happy01

 水痘は、こどもの重大な感染症の一つですが、ワクチンのにより予防できるようになりました。水痘生ワクチンは、水痘にかかると重症になるような白血病のこどもやネフローゼのこどもなどのハイリスクのこども達の水痘を予防する目的で作られ接種されていました。現在では、健康なこどもに対しても行われるようになりました。しかし、水痘の予防接種は任意であるため、ごく一部の小児しか水痘生ワクチンの接種を受けていません。従って、水痘の流行は自然に任されているのが現状です。

 ワクチン接種後、5年くらいは免疫が保たれますが、それ以降になると水痘にかかる子供が増えていき、ワクチン接種したこどもの約30%は水痘にかかるといわれています。しかし、ワクチン接種を受けたこどもが水痘になっても、その症状は軽く発疹の数なども多くないといわれています。

 水痘は、毎年ほとんど同じ形の流行があります。流行は11月に急速に立ち上がり、12月と1月にピークを迎え、その後やや中だるみになります。学校の新学期が始まって、5月と6月に2回目のピークを迎え、夏休みの始まる7月に急降下して、9月にほぼ終息し、10月から立ち上がり始めるといったサイクルです。

  では、水痘(みずぼうそう)の病態について説明しましょうconfident/

 <水痘>

   水痘は、水痘-帯状疱疹ウイルスの飛沫感染や飛沫核感

  染によって起こります。水痘-帯状疱疹ウイルスは、病気が

  回復してからも長く体内に持続感染する性質があり、何らか

  のきっかけ、例えば疲労やストレス、免疫抑制状態などで再

  び活動を始めることがあり、このときに帯状疱疹という形で現

  れます。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    接種希望者のみ任意予防接種としての接種ができます。

    通常、生後12ヶ月以上の水痘にかかったことのない健康な小児が対

   象です(尚、成人も接種可能)。

    接種回数は、1回。

  2)接種料金

    有料(自由診療。尚、市町村により公費による助成あり)

  3)接種量

   接種量は0.5mL

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③接種後2週間以内にリンパ球の減少が予想される場合

   ④医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①免疫能力が低下しているこども

   ②麻疹生ワクチン接種後、27日以上経過していないこども

   (可能であるならば、2~3ヶ月の間隔を開けた方がよい)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   基本的に副反応はない

   

以上が、水痘(みずぼうそう)ワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は時期を必ず忘れずに受けるようにして下さい。confident

次回は、インフルエンザについてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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