予防接種

2008年12月17日 (水)

肺炎球菌感染症ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第15話 肺炎球菌感染症ワクチンの予防接種』

さて、9回目は肺炎(肺炎球菌感染症)ワクチンの予防接種についてです。happy01

 肺炎(肺炎球菌感染症)は、抗生物質のおかげで解決したように思えますが、実際には注意が必要な病気のひとつです。特に、症状がが急速に進んだ場合には、高齢者などには、肺炎にかかった場合抗生物質の投与による治療が間に合わない場合があります。

 そこで、おもに高齢者、特に呼吸器、心臓などに病気を持つ人、糖尿病の人や、病気やけがで脾臓を摘出したこどもに対して、肺炎予防を目的としたワクチンの接種が必要となります。

  では、肺炎球菌感染症の病態について説明しましょうconfident/

 <肺炎球菌感染症>

   肺炎球菌感染症は、肺炎球菌(streptococcus pneumoniae)

  による呼吸器疾患が多い冬季・早春によく見られる肺炎、

  髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、菌血症(敗血症)を伴う感染症

  です。

   肺炎球菌は、人の気道に定着していることがよくあり、健

  康な大人でも鼻やのどから、5%-70%で分離されることがあ

  ります。肺炎球菌は、人の鼻や口から体内に入り、鼻やの

  どの粘膜に付着・増殖し定着し、鼻やのどの粘膜に肺炎球

  菌持っている人などが咳をすることによって生じた飛沫を吸

  い込むことなどがきっかけとなると考えられます。鼻やのど

  の粘膜に定着した肺炎球菌は、そのまま何も起こさずに消

  滅してしまうことも多いのですが、肺炎球菌感染症を発病す

  る場合もあります。鼻やのどの粘膜に定着している期間は、

  1-17ヶ月間程度です。鼻やのどの粘膜に定着している期間

  は、大人よりこどもの方が一般的に長いです。

   肺炎球菌感染症を発病するきっかけとしては、例えば、

  冬季にインフルエンザで気管の粘膜が損傷を受けるなど、

  体を守る障壁(barrier:バリア)が損傷を受けたようなときが

  考えられます。何の症状もなく肺炎球菌を鼻やのどの粘膜

  に持っている保菌者(キャリア: carrier)の割合は、こどもが

  いない大人たちでは、5-10%、学校や孤児院の生徒や孤

  児たちでは27%-58%です。

   症状は突然始まり、胸に鋭い痛みが起こり、ふるえるほ

  どの悪寒がします。発症前から、ウイルスによる上気道感

  染の症状(のどの痛み、鼻づまり、鼻水、空せき)がみられ

  ることもあります。熱が上がり、せきが出て、赤茶色のたん

  も出ます。全身にけん怠感があり、息切れもよく起こります。

  肺炎球菌による髄膜炎の場合は、熱、頭痛、全身のけん

  怠感などが現れます。首がこわばり、動かすと痛みますが、

  早いうちはこの症状が出ない場合もあります。

 <肺炎球菌多糖体23価ワクチン>

   肺炎球菌には80種類以上の型があって、それぞれに免

  疫を付ける必要があります。そのうちで、感染する機会の

  多い型23種類を選んでワクチンに入れてあります。これで、

  日本で流行している80%をカバーしています。1回の注射

  で、23種類のほとんどに対して有効レベル以上の免疫が

  でき、5年以上は免疫効果が持続するといわれています。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    成人、小児(2歳以上)、時期は随時1回接種

     ※尚、2歳未満のこどもは、免疫効果が悪く安全性も確立されて

      いないため受けることは出来ない

  2)接種料金

    有料(自由診療)

  3)接種量

    肺炎球菌多糖体23価ワクチン・・・0.5mL

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①心臓病、腎臓病、肝臓病や血液、その他慢性の病気で治療をしてい

    る人

   ②今までにけいれんを起こしたことがある人

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   注射を受けた部位のはれや痛み、時に軽い熱がみられることがある

    (通常、1~2日でおさまります)

   

以上が、肺炎球菌ワクチンの予防接種についてです。confident

次回は、B型肝炎についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年12月10日 (水)

インフルエンザワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第14話 インフルエンザワクチンの予防接種』

さて、8回目はインフルエンザの予防接種についてです。happy01

 インフルエンザは、毎年冬になると大なり小なり流行が起こり、特に集団生活をしている幼児、児童を中心に流行が起こります。

 また、インフルエンザは慢性の病気を持っている人がいると重症になることがあります。そのため、予防接種は基礎疾患のある人にも勧められます。インフルエンザの予防接種は、集団全体の免疫を高めることによって流行を抑えるという考えで行われます。

 尚、インフルエンザは、学校保健法で第二種の伝染病に指定されています。従って、インフルエンザ(鳥インフルエンザ(H五N一)及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)に感染した場合は、感染後解熱した後二日を経過するまで、出席を停止するよう決められています。

  では、インフルエンザの病態について説明しましょうconfident/

 <インフルエンザ>

   インフルエンザとは、急な発熱を特徴とする呼吸器感染

  症をいいます。インフルエンザウイルスにはA型・B型・C型

  があり、現在ヒトの間で流行している型は、A型のソ連型

  (H1N1亜型)・香港型(H3N2亜型)、B型の3タイプです。

  C型もヒトに感染しますが流行は起こりにくいとされていま

  す。

   主な感染経路は、患者の咳やくしゃみに含まれるウイル

  スを吸い込むこと(飛まつ感染)です。また、ウイルスが付

  着した手を介した感染(接触感染)もあります。

   インフルエンザウイルス感染の典型的な例としては、1

  ~5日(平均3日)の潜伏期の後に、突然38℃以上の高熱

  が出現し、頭痛・関節痛・筋肉痛・全身倦怠感などの全身

  症状に加えて、咽頭痛・咳・鼻汁などの風邪様症状が出

  現します。ほとんどの場合、約1週間で軽快しますが、重

  症化すると肺炎、脳炎・脳症などを起こすこともあります。

   インフルエンザの治療は、頭痛、発熱、悪寒、咳、鼻づ

  まりなどつらい症状をおさえる対症療法と、オセルタミビル

  (商品名:タミフル)などの抗インフルエンザ薬による治療

  が中心です。細菌の混合感染による気管支炎などを併発

  している場合、抗生物質が処方されることもあります。

   治療については、病状や経過(特に症状がではじめてか

  らの時間)に合わせて医師が判断しています。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    ①65歳以上の方

     予防接種法による定期予防接種として1回接種

    ②13歳未満の方

      任意接種で、2回の接種が勧められています。最初の接種から、

     およそ1~4週間の間隔をおいて(免疫効果を考慮すると4週間お

     くことが望ましいとされています)2回目を接種する

    ③上記年齢以外の方

     任意の接種で、基本的に1回接種(場合により2回接種)

  2)接種料金

    有料(自由診療)

    尚、65歳以上の方は、市町村により公費による一部助成あり

  3)接種量

   1回の接種量は以下の通りです。

   1歳未満・・・・・・・・・・0.1mL

   1歳以上6歳未満・・・0.2mL

   6歳以上13歳未満・・0.3mL

   13歳以上・・・・・・・・・0.5mL

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③インフルエンザ予防接種に含まれる成分によって、アナフィラキシー

    を起こしたことがある人

   ④医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①心臓病、腎臓病、肝臓病や血液、その他慢性の病気で治療をしてい

    る人

   ②以前インフルエンザの予防接種を受けて、2日以内に発熱、発疹、

    蕁麻疹などアレルギーを思わす異常が認められた人

   ③今までにけいれんを起こしたことがある人

   ④今までに中耳炎や肺炎などによくかかり、免疫状態を検査して異常

    を指摘されたことのある人

   ⑤今までに喘息と診断されたことがある人

   ⑥インフルエンザ予防接種の成分または鶏卵、鶏肉、その他鶏由来

    のものに対して、アレルギーがあるといわれたことがあるひと

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   注射を受けた部位が赤くはれる程度で、発熱や頭痛などはほとんど

   ない

   

以上が、インフルエンザワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は流行前に必ず忘れずに受けるようにして下さい。confident

次回は、肺炎球菌感染症についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年12月 3日 (水)

水痘(みずぼうそう)ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第13話 水痘(みずぼうそう)ワクチンの予防接種』

さて、7回目は水痘(みずぼうそう)の予防接種についてです。happy01

 水痘は、こどもの重大な感染症の一つですが、ワクチンのにより予防できるようになりました。水痘生ワクチンは、水痘にかかると重症になるような白血病のこどもやネフローゼのこどもなどのハイリスクのこども達の水痘を予防する目的で作られ接種されていました。現在では、健康なこどもに対しても行われるようになりました。しかし、水痘の予防接種は任意であるため、ごく一部の小児しか水痘生ワクチンの接種を受けていません。従って、水痘の流行は自然に任されているのが現状です。

 ワクチン接種後、5年くらいは免疫が保たれますが、それ以降になると水痘にかかる子供が増えていき、ワクチン接種したこどもの約30%は水痘にかかるといわれています。しかし、ワクチン接種を受けたこどもが水痘になっても、その症状は軽く発疹の数なども多くないといわれています。

 水痘は、毎年ほとんど同じ形の流行があります。流行は11月に急速に立ち上がり、12月と1月にピークを迎え、その後やや中だるみになります。学校の新学期が始まって、5月と6月に2回目のピークを迎え、夏休みの始まる7月に急降下して、9月にほぼ終息し、10月から立ち上がり始めるといったサイクルです。

  では、水痘(みずぼうそう)の病態について説明しましょうconfident/

 <水痘>

   水痘は、水痘-帯状疱疹ウイルスの飛沫感染や飛沫核感

  染によって起こります。水痘-帯状疱疹ウイルスは、病気が

  回復してからも長く体内に持続感染する性質があり、何らか

  のきっかけ、例えば疲労やストレス、免疫抑制状態などで再

  び活動を始めることがあり、このときに帯状疱疹という形で現

  れます。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    接種希望者のみ任意予防接種としての接種ができます。

    通常、生後12ヶ月以上の水痘にかかったことのない健康な小児が対

   象です(尚、成人も接種可能)。

    接種回数は、1回。

  2)接種料金

    有料(自由診療。尚、市町村により公費による助成あり)

  3)接種量

   接種量は0.5mL

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③接種後2週間以内にリンパ球の減少が予想される場合

   ④医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①免疫能力が低下しているこども

   ②麻疹生ワクチン接種後、27日以上経過していないこども

   (可能であるならば、2~3ヶ月の間隔を開けた方がよい)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   基本的に副反応はない

   

以上が、水痘(みずぼうそう)ワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は時期を必ず忘れずに受けるようにして下さい。confident

次回は、インフルエンザについてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年11月26日 (水)

おたふくかぜワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第12話 おたふくかぜワクチンの予防接種』

さて、6回目はおたふくかぜの予防接種についてです。happy01

 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)ワクチンの予防接種は、1回の接種で免疫を付ける予防接種の方法です。おたふくかぜの約3分の1は、不顕性感染(病原菌に感染しても、その病気の症状が出ないこと)といわれており、気づかないうちに感染して免疫が出来ている場合があります。免疫のある人にワクチンを接種しても、副反応が強く出ることはありません。

 では、おたふくかぜの病態について説明しましょうconfident/

 <おたふくかぜ>

   おたふくかぜは、ムンプウイルスの飛沫感染により感染し、

  軽少な病気とされていますが、合併症には注意が必要です。

   冬から初夏にかけて流行し、耳下腺(耳の下にあるリンパ

  節)が腫れる病気です。はじめは少し熱がでて、そのうち片

  側あるいは両側の耳たぶの下が腫れてきます。両側が腫

  れることが多いのですが、片側だけのこともあります。腫れ

  が一番大きくなるのは発症後3日頃で、その後6~10日で

  腫れはひいてゆきます。

   合併症としては、髄膜炎が1~3%くらいにみられ、中には髄

  膜脳炎を起こすこともあります。髄膜炎は後遺症を残しませ

  んが、髄膜脳炎は感音性難聴(多くは片側性)や、思春期以

  降の男子がかかった場合などは、不妊症になる心配も出てき

  ますが、完全な不妊症になることはまれです。

   尚、おたふくかぜは、学校伝染病の中では水痘と並んで、一

  番欠席の多い病気です。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    接種希望者のみ任意予防接種としての接種ができます。接種を受ける

   場合は、保護者がワクチンの効果と副反応について、医師の説明を良く

   聞き、納得してから受けることができます。

    1歳を過ぎたら、年齢に関係なく受けることが出来ます。尚、おたふくか

   ぜに一番かかりやすい年齢は4~5歳なので、2~3歳までに受けておく

   と良いと言われています。

  2)接種料金

    有料(自由診療。尚、市町村により公費による助成あり)

  3)接種量

   1回の接種量は0.5mLで皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①痙攣(ひきつけ)を起こしたことがあるこども

   ②慢性の病気があるこども

   (免疫不全状態、栄養状態が悪い、全身状態がよくない、抵抗力が弱い)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)副反応

   ①接種後2~3週頃に耳の下が軽く腫れたり、発熱がみられることがある

            → 特別の措置をしなくても、1~2日で消える

   ②摂取後3週頃に、無菌性髄膜炎が起こりますが、経過は良く後遺症も

    残さずに完治します(数千人に一人の割合)

   

以上が、おたふくかぜワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は必ず忘れずに期間を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、水痘(みずぼうそう)についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年11月19日 (水)

日本脳炎ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第11話 日本脳炎ワクチンの予防接種』

さて、5回目は日本脳炎ワクチンの予防接種についてです。happy01

 日本脳炎ワクチンとは、日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患を予防するワクチンです。以前は集団集団摂取を行っていましたが、現在は日本脳炎予防接種の後に発症した重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)について、現行の日本脳炎ワクチンとの因果関係を認定したことにより慎重を期するため、日本脳炎予防接種の積極的勧奨を差し控えています。

 日本脳炎ワクチンの接種は、Ⅰ期3回、Ⅱ期1回の合計4回の接種で免疫を付ける予防接種の方法です。

 では、現在では積極的接種推奨は中止されていますが、定期予防接種の対象者のうち、日本脳炎流行地に渡航する人など、接種を希望する場合は定期接種として受けることができます。では、日本脳炎の病態について説明しましょうconfident/

 <日本脳炎>

   日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスの感染によっておこる中

  枢神経(脳や脊髄など)の疾患です。ヒトからヒトへの感染は

  なく、ブタなどの動物の体内でウイルスが増殖された後、その

  ブタを刺したコガタアカイエカ(水田等に発生する蚊の一種)な

  どがヒトを刺すことによって感染します。感染後は、突然の高

  熱、頭痛、嘔吐で始まり、数日のうちに意識障害、けいれん、

  手足の異常運動など激しい脳炎症状を起こします。約18%

  は死亡し、約49%は後遺症を残す重症の病気です。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

    接種希望者のみ定期接種としての接種ができます。接種を受ける場合は、

   保護者がワクチンの効果と副反応について、医師の説明を良く聞き、納得

   してから受けることができます

   ①Ⅰ期定期接種(3回)・・・基礎免疫

     1回目:生後6ヶ月以上90ヶ月未満の間に受ける

     2回目:標準として3歳の時に、1回目の摂取後1~4週の間隔をおい

          て受ける

     3回目:初回接種終了1年後、標準として4歳の時に受ける

   ②Ⅱ期定期接種(1回)

     Ⅰ期3回終了後、9歳以上13歳未満でうける。標準として9歳の時に

    受ける

  2)接種料金

    有料(1回:1000円 生活保護世帯料金免除あり)

  3)接種量

   Ⅰ期およびⅡ期定期接種ともに、1回の接種量は0.5mL(3歳未満は

   0.25mL)で皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①痙攣(ひきつけ)を起こしたことがあるこども

   ②慢性の病気があるこども

   (免疫不全状態、栄養状態が悪い、全身状態がよくない、抵抗力が弱い)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)Ⅰ期の接種間隔、接種回数の規定を守れなかった場合

   ①初回接種2回の間隔が4週間以上開いた場合

     ワクチンの効果は4週を過ぎて接種しても十分にあるので、初回接種

    の2回目を受けて、翌年に追加接種を受ける(合計3回)

   ②初回接種が1回だけで1年経ってしまった

     1~4週間の間隔で2回受ける(合計3回)か、または初回接種として

    1回受け、その翌年に追加接種として1回受ける(合計3回)

   ③初回接種が1回だけで2、3年経ってしまった

     改めて初回接種として2回受けて、その翌年に追加接種を1回受ける

                                      (合計4回)

   ④初回接種2回は受けているが、翌年の追加接種を受けずに2年経って

    しまった

     追加接種として1回だけ受ける(合計3回)

  7)副反応

   ①接種部の痛み、発赤、じばれ(傷口などの周囲の皮膚が広くはれること)

    がわずかにみられる

   ②時に頭痛、発熱

   

以上が、日本脳炎ワクチンの予防接種についてです。希望接種する場合は必ず忘れずに期間と回数を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、おたふくかぜ(流行耳下腺炎、ムンプス)についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年11月12日 (水)

麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第10話 麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種』

さて、4回目は麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種についてです。happy01

 MRワクチンとは、麻疹と風疹の両方を予防することを目的とした定期予防接種で、麻疹生ワクチンと風疹生ワクチンを一定の割合で混合したワクチンです。

 MRワクチンの接種は、Ⅰ期1回、Ⅱ期1回の合計2回の接種で免疫を付ける予防接種の方法です。

 では、ここでそれぞれの病態について説明しましょうconfident/

 1.麻疹(はしか)(measles)

   麻疹は春から夏に流行する病気で、麻疹ウイルスの飛沫

  感染や飛沫核感染によって起こります。発熱、咳で発病し、

  目やに、結膜充血があり、2~4日で高熱とともに発疹が出

  てきます。高熱は、3~4日で下がり発疹も消えていきます。

   麻疹にかかると、脳炎や肺炎を合併することもあります。

  また、脳の中に侵入した麻疹ウイルスはゆっくりと増えて、

  何年も経ってから亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という予後

  の悪い病気を起こすこともあります。

 2.風疹(German measles)

   風疹は1月の初めから流行が始まり、5月にピークを迎え

  8月末までに流行する。小学生を中心としてこどものかかる

  軽い病気です。

   風疹ウイルスの飛沫感染によって起こり、発熱と同時に発

  疹がでて、首の後ろのリンパ節がはれます。発疹は3日ぐら

  いで消え、ふつうは軽症ですが、まれに血小板減少性紫斑

  病や脳炎を併発をして、重症になることがあります。

   免疫のない女性が妊娠初期に風疹に感染すると、先天性

  の異常児が生まれる心配があります。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

   今まで麻疹生ワクチン及び風疹生ワクチンの接種を受けていないこども

   ①Ⅰ期定期接種(1回)

     生後12ヶ月以上24ヶ月未満の間に受ける

   ②Ⅱ期定期接種(1回)

     5歳以上7歳未満で、小学校就学前の1年間(就学前年度4月1日

    ~3月31日)に受ける

  2)接種料金

    無料

  3)接種量

   Ⅰ期およびⅡ期定期接種ともに、1回の接種量は0.5mLで皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①痙攣(ひきつけ)を起こしたことがあるこども

   ②慢性の病気があるこども

   (免疫不全状態、栄養状態が悪い、全身状態がよくない、抵抗力が弱い)

   ③急性の病気にかかっているこども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)Ⅰ期定期接種を受ける機会を逸した場合

    必ずⅡ期の接種の機会に麻疹生ワクチンあるいは風疹生ワクチン、ま

   たはMRワクチンの接種を受ける

  7)Ⅰ期定期接種を受けてⅡ期定期接種を受ける機会を逸した場合

    Ⅲ期(中学校1年相当の者)MRワクチンまたはⅣ期(高校3年生相当

   の者)MRワクチンの接種を受けます→詳細は保健所に確認して下さい

  8)副反応

   ①発熱と発疹が一部のこどもに出ます

   ②きわめてまれに血小板減少性紫斑病を起こすことがあります

   

以上が、麻疹風疹混合(MR)ワクチンの予防接種についてです。必ず忘れずに期間と回数を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、日本脳炎についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年10月15日 (水)

DPTワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第9話 DPTワクチンの予防接種』

さて、3回目はDPTワクチンの予防接種についてです。happy01

 DPTワクチンとは、正確には沈降精製百日咳ジフテリア破傷風混合ワクチンといい、百日咳菌(東浜株)とジフテリア菌及び破傷風菌の産生する毒素をそれぞれホルマリンで無毒化(トキソイド化)し、アルミニウム塩を加えて不溶性としたものです。このDPTワクチンは、大切な予防接種の一つです。

 DPTワクチンの接種は、3回の接種でまず十分な免疫を付け、からだに免疫を付けることを覚えさせ(基礎免疫)、その後に1回の追加の接種をすることで高い免疫を付ける接種の方法です。

 DPTワクチン終了後、11歳になった時に、低下した破傷風とジフテリアの免疫を高めるためにDTトキソイドの追加接種を行います。尚、この年齢では百日咳ワクチンの接種は必要がないためDPTではなくDTとなります。

 では、ここでそれぞれの病態について説明しましょうconfident

 1.百日咳(pertusis)

   百日咳菌が産生する毒素によって起こります。百日咳菌

  の飛沫感染によって、はじめは風邪のような症状が1~2

  週間続き、その後痙攣性の咳の発作と、咳が続き咳き込

  んだ後に特徴的な吸気性笛声(てきせい、Whoop:息を吸

  うときにヒューッという)があり、特に夜間に激しい咳の発

  作を特徴としています。

   発作性の咳は3~4週間も続き、次第に減少はしていき

  ますが、乳児ではこのような咳をすることができないため

  呼吸困難となり、肺炎や脳症を引き起こしやすくなります。

  特に生後6ヶ月前の乳児がかかると重症になるといわれ

  ています。

 2.ジフテリア菌(Diphtheria)

   ジフテリア菌が産生する毒素によって起こります。ジフテ

  リア菌の飛沫感染により次の症状を呈します。

    1)鼻ジフテリア

      乳児に多く,鼻汁に血液が混じってきます。

    2)咽頭ジフテリア

      一番多い病型で,幼児などがかかりやすく、喉の痛み、元気消失、

     嘔吐などの症状が主体で、発熱は38℃前後になることがほとんどです。

    3)喉頭ジフテリア

      幼児に多く、しわがれ声、犬の遠吠え様の咳、呼吸困難が特徴です。

 3.破傷風(tetanus)

   破傷風菌が産生する毒素によって起こります。けがをした

  時土壌中にいる破傷風菌が傷口に入って感染します。

   神経症状が主に認められます。口唇や手足のしびれ、

  味覚異常が初期に出現し、その後口を開けにくくなるとか

  全身けいれんが起こってきます。致命率が高く、自然感染

  による免疫が成立しません。破傷風は人から人にうつる

  病気ではないため、自然に感染して免疫ができることはな

  く、免疫を付けるにはワクチンしかありません。

では、実際の接種法にについてですcatface

  1)対象年齢と時期・回数

   ①Ⅰ期定期接種(DPT)

    ・Ⅰ期初回接種3回(基礎免疫)

     生後3ヶ月以上12ヶ月未満に、3~8週間の間隔をあけて3回受ける

    ・Ⅰ期追加接種1回

     Ⅰ期初回接種終了後12ヶ月以上18ヶ月未満の間に1回受ける

   ②Ⅱ期定期接種(DT)

     11歳以上13歳未満で、標準は11歳時に1回受ける

  2)接種料金

    無料

  3)接種量

   ①Ⅰ期定期接種(DPT)

    1回の接種量は0.5mLで皮下注射

   ②Ⅱ期定期接種(DT)

    1回の接種量は0.1mLで皮下注射

  4)接種を受けられない場合

   ①明らかに発熱のあるこども

   ②重篤な急性疾患にかかっているこども

   ③接種を受けようとするワクチンに含まれている成分によってアナフィ

    ラキシーを起こしたことのあるこども

   ④医師が不適当と判断した場合

  5)接種を受けるときに注意が必要な場合

   ①心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気、発育障害などの基礎疾患

    を持っているこども

   ②前回の予防接種で接種後2日以内に高熱が出たこどもや、全身性

    発疹などのアレルギー性の反応を起こした事のあるこども

   ③痙攣(ひきつけ)を起こしたことのあるこども

   ④免疫不全の診断がついているこども、近親者に先天性免疫不全症

    の者がいるこども

   ⑤接種しようとするワクチンの成分でアレルギーを起こす恐れのあるこ

    ども

                    以上の場合は、接種医と相談して決める

  6)Ⅰ期定期接種を規定通りに受けられなかった場合

    確実な免疫を付けるには、Ⅰ期とⅡ期の接種を決めたとおりに受ける

   とが大切です。しかし、予定した日に受けられないことはよくあります。

   間隔が開いてもかまいませんので、生後90ヶ月になる前(定期の接種

   期間)にⅠ期の接種を規定回数受けるようにして下さい。

    尚、この場合の受け方につきましては、様々な場合がありますのでこ

   こでは記載しません。従って、必ず予防接種を受ける医療機関等に相

   談して指示されたとおり接種を必ず行うようにして下さい。

  7)副反応

   ①接種箇所が赤く腫れることがある(2~3日で消失)

   ②腕全体が腫れることがある(Ⅰ期3回目やⅠ期追加接種時)

   ③接種後にあまり念入りに揉むと接種局所でワクチン液が広がり、ワク

    チン液に対する反応が大きくなる傾向がある

   ④接種部位において小さなしこりが1~2ヶ月残ることがある

   

以上が、DPTワクチンの予防接種についてです。接種は4回でその後DTワクチンを1回接種して全てが完了になります。必ず忘れずに期間と回数を守って受けるようにして下さい。confident

次回は、麻疹・風疹についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年10月 8日 (水)

ポリオワクチンの予防接種

『小児疾患の部屋 第8話 ポリオワクチンの予防接種』

さて、2回目はポリオワクチンの予防接種についてです。happy01

 ポリオ(Acute poliomyelitis、急性灰白髄炎)とは、ポリオウイルスの中枢神経感染により生じる四肢の急性弛緩性麻痺(acute flaccid paralysis:AFP) を典型的な症状とする疾患であり、かつては小児に多発したところから小児麻痺ともよばれていました。

 ポリオウイルスの自然宿主はヒトだけであり、糞便中に排泄されたウイルスが口から体内に侵入し、咽頭や小腸粘膜で増殖し、血流に入ります。血中を循環したウイルスの一部が脊髄を中心とする中枢神経系に到達し、運動神経ニューロンに感染増殖して脊髄前角炎をおこすと、典型的なポリオ症状が現れます。尚、感染から発症までの潜伏期間は4~35日間(平均15日間)です。

 ポリオウイルスが感染しても、90~95%は不顕性感染(感染後も無症状で経過するもの)でおわります。4~8%はカゼのような症状(発汗、下痢・便秘・悪心・嘔吐などの胃腸症状、咽頭痛・咳などの呼吸器症状など)にとどまる不全型で、これらの臨床症状からいわゆるカゼとの鑑別は難しいとされています。

 典型的な麻痺型ポリオは、1-2日のカゼ症状の後、解熱に前後して急性の弛緩性麻痺が四肢に現れます(だらんとした麻痺)。麻痺の部分は痛みを伴うため、カゼで発熱したこどもが解熱し始めた晩に「背中が痛い」とうめき、翌朝突然下肢の麻痺が現われるといったことが多くみられます。

 ポリオワクチンには、毒性を弱めたウイルスが入っており、このウイルスを接種(服用)することにより、ポリオに対する免疫(抵抗力)を付けることで感染を防ぎます。従って、予防接種を受けた人の中には、ポリオにかかったときと同じような症状(麻痺)を生じることがあります。

 1)対象年齢

   生後3ヶ月以上90ヶ月未満の間、標準として、生後3ヶ月以上18ヶ月

  未満の間に6週間以上の間隔をおいて2回

 2)接種料金

   無料

 3)接種方法

   経口ポリオワクチン(シロップ剤)を1回につき0.05mLを経口服用服用

   尚、1回目から6週間以上間隔を開け、必ずもう1回行う

                               (通常春と秋の2回)

 4)接種を受けられない場合

  ①下痢をしている子ども→治るまで不可

  ②先天的な免疫不全疾患と診断された子ども

 5)接種を受けるときに注意が必要な場合

  ①新生児期から乳児期に敗血症、肺炎細菌性髄膜炎などの重症な感染

   症を繰り返したことがある

  ②肛門周囲に膿瘍ができる

  ③発育が十分でない

                  以上の場合は、接種医と相談して決める

 6)接種した後の注意

  ①接種後(投与後)30分間は飲食をさせない

      → 服用したワクチンをミルクなどと一緒に吐きだしてしまう

         (投与直後に大量に吐きだした場合は、改めて投与)

  ②入浴や保育所・幼稚園での生活は通常通りで問題なし 

  ③服用後の子どものよだれや、糞便に排出された生ワクチンのウイルスに

   おいて、母親が免疫がない場合およびワクチンを服用していない免疫機

   能の低い子どもと一緒に生活することは、ポリオウイルス感染の可能性

   があるので避ける(接種後1ヶ月は注意する)

 7)副反応

  非常に稀ではあるが、弛緩性の麻痺を起こす事例が報告されている

                            (100万~200万人に1人)

   

以上が、ポリオワクチンの予防接種についてです。接種は2回で免疫がつくので、必ず忘れずに受けるようにして下さい。confident

次回は、百日咳・ジフテリア・破傷風(DPT)ワクチンの予防接種についてです。

でわpaper

                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年10月 1日 (水)

結核ワクチン(BCG)の予防接種

『小児疾患の部屋 第7話 結核ワクチン(BCG)の予防接種』

さて、今日からは乳幼児の実際の予防接種の受け方などについてお話し致しますhappy01

今日は、生まれて最初に受けなければならない、結核ワクチン(BCG)の予防接種についてです。

結核は、結核菌の飛沫感染によって感染します。小児感染の感染源の多くは、家庭内感染がほとんどです。子供は年齢が幼いほど、結核感染に対する抵抗力が弱く重症になりやすいため、なるべく乳児期の間にBCGを受けるように法律で定められています。以前は、ツベルクリン反応を行い、陰性の場合に接種していましたが、現在では直接接種に変更されました。

この結核の予防接種感染は、以前は結核予防法により行われていましたが、2007年4月からは予防接種法による第一種疾病として定期接種が行われるようになりました。

 1)対象年齢

   生後6ヶ月未満に1回

 2)接種料金

   無料

 3)接種方法

   9本の針を植え込んだ管針でスタンプ方式に押しつけるようにして2カ所

  に接種します。よくついた時には合計18個のぼつぼつが出来ます。数個

  しかできなかった場合には免疫のでき方が不十分になります。

 4)BCGを受けられない場合

  ①明らかに発熱がある

  ②重篤な急性疾患にかかっている

  ③結核、その他の病気の予防接種、外傷などでケロイドができやすい

  ④結核にかかったことがある

 5)BCGを受けるときに注意が必要な場合

  ①過去に結核患者との長期的接触がある

  ②その他結核感染の疑いがある

            以上の場合は、接種医と相談して決める

 6)接種した後の注意

   接種後は、BCGの液がよく乾いてから肌着に腕を通すようにします。接

  種した日は、子供が泥まみれになったりしないように注意します。

 7)副反応

  ①通常であれば、接種後1~2ヶ月後に局所に黄色いぶつぶつ(化膿巣)

   ができますが、接種後1週間以内に局所に発赤・腫張、あるいは化膿

   巣が出現したら、直ちに接種医療機関に受診してください。

  ②接種後3週間~4ヶ月くらいで、接種した部位がぐじゅぐじゅと湿り始め、

   長く湿潤した状態が続くことがあります。これは、結核菌とは違う非定

   型好酸菌に感染したことのある乳児がBCGを受けて、接種した部位で

   遅延性アレルギー反応(コッホ現象)が起こったためと考えられます。

                              (250人に1人の割合)

  ③接種後通常では、局所のびらんや潰瘍は4週間以内に自然に治ります

   が、4週間以上にわたって湿潤した状態が続くような場合は、接種医療

   機関に受診して下さい。

  ④接種後、接種を受けた腕の腋の下のリンパ節が腫れることがあります。

   通常は直径2cm位で、自然に小さくなり消失します。これは、BCGが

   型の生きた結核菌であるため、接種した部位からこの菌がリンパ流にの

   って、腋の下のリンパ節に達し、そこで増えることにより生じたものです。

   万一、皮膚に穴があいてリンパ節に達するほどになったら(症状が悪化し

   たら)、接種医療機関に受診して下さい(200人に1人の割合)。

以上が、結核ワクチン(BCG)の予防接種についてです。無料で接種できるのは基本的には6ヶ月までですので、忘れずに必ず予約して接種して下さいconfident

次回は、小児麻痺(ポリオ)の予防接種についてです。

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                 参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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2008年9月24日 (水)

予防接種とは?

『小児疾患の部屋 第6話 予防接種とは?』

さて、今日からは乳幼児の『予防接種』に関して数回に分けてお話し致しますhappy01

今日は、まず予防接種とは?という知っている人もいるかもしれませんが、これから予防接種、特にこれから初めてという人には、いろいろな本を含めて参考にして頂けたらと思います。

予防接種は、人の免疫反応を利用するものです。従って、予防接種の効果は受けた人の体の状態によって左右されます。

この予防接種は、病原菌に由来する異物(ワクチン)を体の中に入れることによって、人に人為的に免疫力を与えて感染症の予防をするものです。

 1)予防接種の目的

   予防接種は、感染の予防、発症の予防、症状の軽減を図

  ることを目的としています。予防接種により、人為的に免疫

  を付けることにより、

    ①その病原体が増殖できないようにする

    ②病原体が気道の粘液などで増殖しても、その人が病

     気にならないようにする

    ③病原体が増殖して症状が出ても、それを軽くするよう

     にする

  が期待されます。

   予防接種により、感染しやすい病原体から身を守ることで、

  感染症による重症化や死亡、さらには感染の流行・拡大を

  防ぐことができます。

 2)予防接種のワクチン

    予防接種で使うワクチンには、生ワクチン、不活化ワク

   チンの2種類があります。

   ①生ワクチン

     生ワクチンは、生きた病原体の毒素を弱めたもので、

    その病気にかかったのに近い免疫(抗体)をつくろうとす

    るものです。

     接種後から、体内で病原体の増殖が始まるので、それ

    ぞれの持っている性質に応じて発熱や軽い症状が出る

    ことがあります。十分な抗体が獲得されるのには1ヶ月

    が必要です。

     日本で使われている生ワクチンには、ポリオ、麻疹・風

    疹混合、麻疹(はしか)、風疹、おたふくかぜ、水痘、

    BCG、黄熱があります。

   ②不活化ワクチン

     不活化ワクチンは病原体を殺し、免疫をつくるのに必

    要な成分を取り出して毒素をなくしつくったものです。

     この場合、病原体は体の中で増殖しないので、何回か

    接種し体に記憶させて免疫をつくります。一定の間隔で

    数回接種し初回免疫を付けた後、約1年後に追加接種

    をして基礎免疫ができあがります。

     しかし、放置するとまた少しずつ抗体が減ってしまうの

    で、長期に免疫を保つ場合には、それぞれの性質に合

    わせて一定の間隔で追加接種が必要です。

     日本で使用されている不活化ワクチンには、コレラ、

    A型肝炎、ワイル病秋やみ混合、沈降百日咳・ジフテリ

    ア・破傷風混合(沈降DPT)、インフルエンザHA、肺炎

    球菌多糖体、沈降ジフテリア破傷風混合(沈降DT)、

    沈降破傷風(沈降T)、B型肝炎、日本脳炎があります。

以上のように、予防のためのワクチンにより、昔から比べればこれらの感染病によ発症は減ってきています。

特に、乳幼児においてはかかりやすい感染症より防御するにはワクチンの接種は必要不可欠です。従って、どのタイミングでどのワクチンを接種すればいいかをきちんと理解しておくことが重要となります。

でわ、次回からこれらのワクチンに関してお話ししていきますconfident

                参考 : 予防接種の手帖<第八版> / 近代出版

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